ふとした拍子に眺めているだけで癒される絵本、ストーリーは知り尽くしている。背表紙を見るだけで昔がよぎる、手に取れば風の薫りや光の色も不思議に感じる。
自分にとっての絵本。出来れば子供にも触れさせたくない絵本。
そんな風を感じる絵本をちょっとだけ教えます。(※個人差はあります)
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100万回生きたねこ
100万回生きたねこ (佐野 洋子 (著))
100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで,100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が, そのねこを かわいがり, 100万人の 人が, そのねこが しんだとき なきました。
ねこは, 1回も なきませんでした。
で始まる100万年続いたトラねこの物語。最後まで読み進めていくうちにねこはあなたの周りで・・・何度読んでも、誰が読んでも、目頭熱くなるふしぎな物語。※決して人前では読まないで下さい。
セロ弾きゴーシュ
セロ弾きゴーシュ (宮沢 賢治 小林敏也)
ゴーシュは町の楽団でセロ(チェロ)を担当している。
町の音楽会で発表する第六交響曲の練習をしているのだが、彼だけが下手なままで、団長からきつく叱られる。
三毛猫、かっこう、狸、野ねずみなど毎晩の動物たちの訪問によって、ゴーシュは自分でも・・・
お話しの内容は知っている方も多いと思いますが小林さんの版画を通して改めて宮澤賢二の世界に触れると今までとは違ったはだ感覚が体験できます(※個人差はあります)この物語というよりは、この画風がとても気に入っておりわたしは手に入った5冊を本棚に飾っています(もちろん子供には触らせません)
たかが子ども向けの絵本とあなどるなかれ。心を込めて贈りたくなる絵本です。
多毛留
多毛留 (米倉斉加年文/絵)
漁師の父と、父が朝鮮から連れてきた母との間に、多毛留(たける)は生まれた。
日本人の父と朝鮮人の母、その息子の三者の悲劇と戦争の酸鼻さ、喪失と悲しみを、「ぼく」の視点で描いた絵本。
倉斉加年さんが、故郷の福岡を想い書いた絵本。 玄界灘の向こうに見える朝鮮半島は、子供の頃から親しみのある外国。
その異国人と知らず知らずのうちに交流をし … 倭ノ奴ノくにの時代の、男の話。
絵がきれいで、方言で語られる文もきれいで、それなのに怖い。読み終わったときこんなに心動かされる。
特に絵がものすごく綺麗で物語以上に素敵な美術作品を見ている感じです。米倉さんの絵本は完成された画集だと思います。
なまえをつけて
なまえをつけて (谷川俊太郎 いわさきちひろ)
谷川さんの新作書き下ろしの詩が、ちひろさんが描いた子どもたちとともに一冊の絵本になります。
谷川さんの詩によって命が吹き込まれ、ちひろさんの描く子どもたちがいきいきとおしゃべりをはじめます! 子どもたちは絵本を読むお友だちに「さあ わたしになまえをください」と語りかけてきます。
みなさんは子どもたちにどんななまえをつけますか? なにをおしゃべりしますか?
新しい時代に受け継がれる普遍的な作品、誕生です!
岩崎さんの作品はどれがという事ではなく色々な作品が淡く優しいトーンで見る人の心を惹きつけます。
例えば「あなたがうまれたとき―ちひろのあかちゃん日記」「 いわさきちひろ画集」「ゆきのひの たんじょうび」など時代を超えて今見ても無類の優しさが溢れています。
時間があればぜひ「ちひろ美術館」へ足を運びたいものです。
Life(ライフ)
Life(ライフ)くすのき しげのり (著), 松本 春野 (イラスト)
町の外れに「Life (ライフ)」という 小さなお店があります。 でもお店といっても、だれかが働いているわけでも、なにかを売っているわけでもありません。
このお店には、誰がかなにかを持ってきて、なにかを持って帰ります。
おじいさんが亡くなってからこのお店を訪れたおばあさん、絵本を持ってきた子ども、結婚することになった男女。それぞれが会って話をしているわけではないのに、見知らぬ人から人の手へ、大切に繋がっていくもの、思い。
冬の間も「ライフ」には、たくさんの人が訪れ、そしてすてきな春がやってきました。そして、すてきな奇跡が起こりました。人は誰かとのかかわりの中で生きているのだ、ということを伝える感動の絵本。
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